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【連載】姿勢を考える時に重要となる「軸」という考え方についてお伝えします!

前回までの2回で、姿勢の変化に伴う肩こりや腰痛といった症状を取り上げていきました。
今回は、姿勢を考える時に重要となる「軸」という考え方を取り上げてみたいと思います。

第5話>>【連載】マッサージ師直伝!こり・頭痛のお悩みの方におすすめする実践的解消法
第6話>>【連載】治療の専門家木村が伝授!腰の痛みで悩んでいるあなたに教える知識のポイントとセルフケアの実践方法

 

なぜ軸という考え方が必要なのか?

私達は、日常意識していませんが、【重力】という存在の元で生活を送っています。
これは言い換えると、常に身体の上方から、重さがかかった状態であるということになります。
この重力とうまく付き合っていくために、軸という考え方が必須となってくるわけです。

本来、私達の身体は非常に効率的に出来ていて、筋肉という大きな力を使わずとも、立った状態をキープ出来るような構造となっています。
理想的とされる軸の状態が保たれている場合は、筋肉に余計な負担をかける事なく、それが、肩こりや腰痛といった慢性的な症状の予防に繋がってくるのです。

 

揃えるべき2種類の軸とは?

理想的とされる姿勢は2方向から見た時に、所定の位置に身体のポジションが揃っているかを見て、評価していきます。
見るべき2方向とは【正面】【側面】です。

正面から

正面から見るときのポイントとなるのは以下の7ヶ所です。

  1. 左右の足関節の中間点
  2. 左右の膝関節の中間点
  3. 恥骨結合(ちこつけつごう)
  4. 剣状突起(けんじょうとっき)
  5. 胸骨柄切痕(きょうこつへいせっこん)
  6. 眉間

細かい名称も挙げていますが、こういった身体のランドマークとなるような名称を知っておくと、共通言語として使えるので便利です。

以上に上げた7ヶ所を線が1本の線が通っていくような姿勢が、正面から見た時にキレイな姿勢であるといえます。

側面から

後面から見るときのポイントは以下の5ヶ所です。

  1. 外果(外くるぶし)のやや前方
  2. 膝のやや前方
  3. 大転子(だいてんし)
  4. 肩の中心
  5. 外耳孔(耳の穴)

以上に上げた5ヶ所が一直線に並ぶような姿勢が側面から見たキレイな姿勢といえます。

 

軸を意識するメリットは?

先述した通り、2方向から見た時の軸が整っている場合には、筋肉などの他の組織への負担は最小となります。
効率的に、かつ疲れにくい状態にあると言い換えても良いかと思います。
また、運動を行う際にも大きなメリットとなります。

というのも、身体を動かす筋肉は、それぞれが個々に動くのではなく、様々な状況に応じて共同して動いてくれています。軸が整っている場合において、各筋肉、あるいはそれらを包括したような筋肉群は最大限の力を発揮するように配置がされています。
文字だけだとイメージが湧かない方もいると思うので、写真を交えて例を挙げてみます。

下部交差性症候群と股関節伸展(こかんせつしんてん)

前回取り上げた下部交差性症候群のような姿勢の変化がある場合、股関節を動かす時の筋肉の動きに変化が現れます。

【股関節伸展】

膝を伸ばしたまま、足を後ろに運ぶ動作が股関節伸展という動きです。

本来、お尻の筋肉である【大臀筋】をメインに働かせるべき所で、腰の筋肉【腰部起立筋】や、太腿の裏側の筋肉【ハムストリングス】などが余分に動いてしまう事が考えられます。

股関節伸展といえば、走りの動作において、大きな役割を果たす動きです。
スプリンターの肉離れ、ランナーの腰痛などこういった姿勢変化が影響する可能性が考えられてきます。

今回は一例を挙げて、軸の重要性を取り上げてみました。
上に挙げたポイントを意識して姿勢を作ってみることで、思いがけないメリットが生まれるかもしれません。
是非、取り組んでみてください。

 

第1話【 連載】マッサージ師が感じた健康作りへの近道とは!?
第2話【連載】マッサージ師が教える血流を良くするための知識と運動方法〜背骨編〜
第3話【連載】マッサージ師が教える血流を良くする生活上のコツ4つ
第4話【連載】治療の専門家マッサージ師が教える血流と痛み・炎症との関係がわかる基礎知
第5話【連載】マッサージ師直伝!こり・頭痛のお悩みの方におすすめする実践的解消法
第6話【連載】治療の専門家木村が伝授!腰の痛みで悩んでいるあなたに教える知識のポイントとセルフケアの実践方法

 

ABOUT ME
木村佑介
木村佑介
木村 佑介(きむら ゆうすけ) H1.8.16 学歴 都立井草高校 →立教大学法学部 →東京衛生学園専門学校 東洋医療総合学科(主席) 資格 あん摩マッサージ指圧師 はり師 きゅう師 スポーツ歴 中学〜陸上競技 高校時代:3年次、200m、400mにて関東大会出場 大学時代:4年次、関東インカレ(2部)4×400mリレー優勝 「現在の職業についた理由」 高校時代まで、怪我とはまったくの無縁で、記録も順調に伸び続けました。大学1年次も夏頃までは好調をキープ。追い風参考記録になったものの、初の100mで10秒台となる10”91をマーク。が、1年次後半に肉離れを起こして以来、ほぼ毎年怪我をしている状態になる。3年生になる頃に、先輩に紹介してもらった先生に出会い、復活し、4年次には最大の目標であった関東インカレ優勝を果たした。この先生に出会って、自分も治療家になりたいと思い、法曹志望の道を一転させて、治療家の道に。現在は、都内マッサージ院にて勤務の傍ら、師匠の元に通い、修業中。